おゆブログ

社会人になってから、ADHD・自閉症スペクトラムを診断されたアラサー共働き主婦が、日々感じたことを記しています

ADHD寄りの女が必死で保育園で働いたけど、結局ダメだった話し

正確な診断はされていませんが、社会人になってから不注意優勢のADHDじゃないかな、と思っています。(2019年6月に、診断がおりました)

 

発達障害を持っている人にとって、職業選びは本当に人格形成に関わるくらい重視しなければいけないんですが、自分は就活で詰んでしまい、安易な考えで

 

「需要もあるし、なんか楽しそう!子どもかわいいし!好きだし!」

 

という理由で保育園で働き始めてしまいました。自分も保育園で育っていたし、子どもと一緒に遊ぶようなボランティアもしていたので、あんまり苦にならなそうなイメージでした。

 

目次

 

例えて言うなら、ずっと混んでいる飲食店に放り込まれ、遠くから飛んでくるオーダーを正確にこなさないと死ぬ

働きながら、保育士の資格を取ろうと思っていたので、アルバイトのような形として最初は働いていました。任された担当が、年長クラスの副担任。担任の先生の補佐をしながら、加配が必要なこどもを主にみていくことが主な仕事。年長はイベントが多く、今振り返ってみても、担任の先生の自己犠牲の上に成り立ってるような年間スケジュールでした。

 

朝から夕方まで、常にリーダーの先生の先を読みながら気を利かせなければいけない。これをやる時はこれを用意する、というのは経験を積めば分かってきました。でも、初めていく場所・初めてやることの時は、たいてい指示とは違うとんちんかんなことをやらかして死んでいました。

 

子どもに気を配りながら、ざわざわしている空間の中で遠くからの先生の指示を聞き、すぐに動かなければいけないのは本当に出来なくて辛かったです。音としては聞こえてるんだけど、どうしても言葉の意味として理解できなかった。発達障害を持ってる方にはあるあるなんでしょうか。

 

大学の頃飲食店で働いていた時、同じように騒がしい空間の中で指示を聞き取れず、むちゃくそ怒鳴られていた。そこから「自分はこういう空間は苦手なんだろうな」と学んでいればよかったなー…と思っています。

休憩が休憩じゃない。場の雰囲気を察知し、絶妙なコメントをしないとまた死ぬ

休憩は、1時間しっかり取れるような職場でしたが、休憩する部屋には他の先生も入れ替わりで入ってきます。

 

穏やかな先生だと癒しの時間でしたが、話題がコロコロ変わっていく・自分の子ども自慢に強制的に「すごい~!」と言わなければいけない先生だと、やはり心が死んでいました。

 

とにかく相槌を頑張り、せめてニコニコしていようとしていると、突然ふられる質問のレシーブ。会話と言うボールを落とさないように必死で繋いで、相手が気持ちよく話せるようなトスを繋がないといけない空間は、自分にとっては修行のようでした。心からの笑顔ではなく、筋肉で笑顔を作ることは出来るようになっていました。

結局、一緒に組む先生の相性その年がどうなるか決まる

本当にこれに尽きるんですが、最後に勤めた保育園ではこれがきっかけで、精神科に通わなければ行けなくなり退職してしまいました。多分、もう自分は保育園という施設では働けないなと思ったきっかけでもあります。

 

保育園で数年働いて、色んな先生を見てきました。

  • 厳しいことは言ってくるけど、相談した時はよく話を聞いてくれ、子どもにも信頼されている先生
  • 自分のお気に入りの子だけ構う先生
  • 子どもにも先生にも(アルバイトの人達にも)とにかく優しい先生
  • 子どもと同じように全力で遊んでくれる先生
  • 乳児クラスの子どもでも、泣いている子は放り投げるような先生

保育園のことを、あんまり分からない保護者の方だと

 

「新卒の先生みたいだけど、大丈夫かしら?」

 

って思う人もいるかもなんですが、結局はどれだけ熱意や愛情を持って子どもに接しているかが、本当に大切なことだと思っています。それとは逆で、ベテランだからというだけでは分からないことも沢山あります。

 

複数担任のクラスでは、そのリーダーの先生がどんな先生かで、先生同士の雰囲気も大きく変わっていきます。年も近くて楽しそうにやっているクラスもあれば、体育会系のように上下関係バリッバリで耐えなければいけないクラスもあります。聞こえるように大声で嫌味を言われても、保育ができないように子どもと離され一人だけ別の場所に追いやられても、組んでいる以上はクラスを離れることは出来ません。

 

自分は、ある先生にターゲットにされてしまい、知っておかなければならないような情報を回さない・言いがかりをつけられ話すら聞いてもらえないという状況になってしまい、2時間しか眠れなくなる・夜中に動機が止まらない症状が出始め、後にパニック障害を発症して退職せざるを得ませんでした。

 

このようなことが、全て「クラス」という密室で行われているのが難しい部分で、その指導はモラハラやいじめなのではないか?という判断が、園長先生やほかのクラスの先生がなかなか出来ないのが現状だと思います。

 

それでも、保育士という仕事は素晴らしい職業だ

自分は志半ばで保育園を離れてしまいましたが、「自分の子どもも、この人に預けられたらいいのになぁ」と思える先生に沢山出会うことが出来ました。年齢や経験関係なく、素晴らしい先生は現場にはほんっとに沢山いた。これは、実際に保育園で働いてみなければ分からないことでした。

 

低賃金で、持ち帰り仕事が多くて、報われないことも多い。それでも、子どもたちが健やかに成長していけるよう毎日向き合う保育士という職業は、社会にとってなくてはならない仕事であり、保育士の方々には本当に尊敬の気持ちしかありません。

 

自分が叶えられなかった保育士という夢を、いつか誰かが叶えてくれたらとても嬉しいです。